『書物往来』第五冊(大正13年11月30日)に仮名垣魯文の「神田音頭」が紹介されている。残念ながら、出典が明記されていない。
以下、その文句。
神田音頭
仮名垣魯文
○花の雲、東のひえに引続く、霞の衣舞の袖、合す手事も千早振、神田の里も新らしく。ヨイヤサヨイヤサ
○夏木立、葉山の繁り色栄えて、軒の簾に訪づるゝ、涼しき風を松の庵、颯々唱ふ乱拍子。ヨイヤサヨイヤサ
○石垣の、堅き誓の色替て、木々の錦のうちかけや、今宵を千代の初なる、万世橋の末掛けて、ヨイヤサヨイヤサ
○玉河の、流の末を神の田に汲みてぞ知き水の筋、さゝに替たる移香や、炬燵蒲団の雪の日も。
トップに戻る