注解で使用した岩波文庫の詳細


淡島寒月『梵雲庵雑話』

この本の内容
西鶴再評価の契機をつくったことで知られる明治の文人淡島寒月(1859-1926)の文集.幕末維新期の江戸・東京の回想,仮名垣魯文・高橋由一・ワーグマン・下岡蓮杖らの人物スケッチ,玩具の収集のことなど,名利を求めず趣味に生きたといわれる寒月の全貌を伝えてくれる1冊.梵雲庵は寒月の号である.(解説=延広真治)
通し番号 緑159-1
刊行日 1999/08/18
ISBN 9784003115916
Cコード 0195
定価 本体900円+税


『平家物語』

この本の内容
祇園精舎の鐘の音,諸行無常の響あり,沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらはす-合戦記に人物譚,和漢の故事を織りまぜた,平家の全盛から滅亡までの物語は,鎌倉時代から現代にいたるまで,多くの人々に親しまれてきた.第1冊には巻1から巻3までを収録.平家全盛の時代.新日本古典文学大系本の文庫化.(全4冊)
著者 梶原 正昭 校注 , 山下 宏明 校注
通し番号 黄113-1,黄113-2,黄113-3,黄113-4
刊行日 1999/07/16,1999/08/18,1999/09/16,1999/10/15
ISBN 9784003011317,9784003011324,9784003011331,9784003011348
Cコード 0195
定価 本体1,010円+税,本体940円+税,本体1,010円+税,本体1,040円+税


篠田鉱造『幕末明治女百話』

この本の内容
『幕末百話』『明治百話』に続き,聞き取りの対象を女性にしぼって集めた百話.名士の家庭にも易々と入り,巷の風俗や季節の楽しみをこまやかに観察し,男性とはひと味異なる女性ならではの逸話がそろった.旧幕書生の出世物語あり,江戸っ子の意気張りづくで耐えた刺青の体験談あり,江戸趣味のまだ滅びない時代の面影を伝える.(全2冊)
「女の目に心に,女ならでは持たない,深みとねばり,鋭さと敏さとを狙いました」と著者の言う通り,幕末から明治の実社会の内面が,庶民の胸に刻まれた時代の絵模様として鮮やかに織り出された.下巻には,本所の7不思議,大阪の怪事あれこれ,さまざまな大衆芸能,初めての西洋料理など,盛りだくさんな内容.(解説=紀田順一郎)
■内容紹介
 女百話は,女の目に心に,女ならでは持たない,深みとねばり,鋭さと敏さとを狙いました.初めは明治時代を描くつもりが,七,八十の老諸姉を叩くと,まだ幕末の昔話が,どっさり蘇っているのに驚き,ついに『幕末明治女百話』を纏め得ました.
 どちらへ訪れても,老女の第一声は「この頃ついぞ昔のお話をしませんものですから,旧幕のお話は忘れてしまいました.ソレに家内のものが,テンデ相手にしませんから,昔話を嘘のように思って,昔はどうのこうのと申しますと,昔なんかと嚼んで吐き出すように申しますから,癪に障って口を緘んでいます」という方,「こんな昔話が――つまらんお話がお役に立ちますかしら,宅の者がいいますには,どんなお話があるんですか,本に残るんですよ,大丈夫ですかと申しますんですよ」という方.
 一方は癪に障って,結構な昔話が,胸底に押込められていた.ソレを聴くと,溌溂たる昔話が刎返って出る.一方は悴娘に念を押されても,この話ならと,自信の下に,すらすらと語られる力強い話,いずれにしても実話そのものは,胸に刻まれた時代の絵模様で,極彩色から淡彩画,後世に伝えて恥ずるところがない.…… (「人知れぬ汗雫」より)
通し番号 青469-4,青469-5
刊行日 1997/08/19,1997/09/16
ISBN 9784003346945,9784003346952
Cコード 0121
定価 本体780円+税,本体840円+税


『徳川制度』

この本の内容
江戸城内から江戸の町や下層社会まで記録された歴史実録書.文献史料や故老からの聞書きなどをもとに,明治25~26年にかけて『朝野新聞』に連載されたものである.上巻には,町奉行,刑罰,牢屋,人足寄場,非人,町会所,火事,辻番,株式,市場などについての項目を収録.江戸の町の実態がよく分かる貴重な一冊.(全三冊)
江戸時代の人々の生活については,時代劇や歌舞伎などうかがい知るところは多いけれども,その実際については今となってはなかなか掴みにくいのが実情でしょう.無名の庶民,岡っ引きや辻番,様々な階層の人々が生きた世間.罪科を得て牢に縛された囚人.これらの鮮明な記憶を綴ったのが本書です.
 『朝野新聞』に明治25,6年に連載された「徳川制度」「徳川制度続編 金扇影」「東叡山寛永寺」他をまとめた大変に生き生きとした見聞録は,まるで縁故の古老から直接話を聞くかのようなリアリティです.記録そのものが大変に貴重で,他に得難いことはもちろんですが,話としても面白い.江戸時代に関心をもつ方,時代劇の愛好者,そして人間のことが好きな人なら必ず楽しめる一書です.たとえば上巻のこういう話はいかがでしょうか.
江戸の町の実相を記録した歴史実録書.中巻には,山の手と下町でちがう寺子屋の実態をはじめ,虚無僧,富くじ興業,吉原,岡場所,娼妓,若衆など社会・風俗に関するものと江戸城の年始の儀礼を記した年始登城,下馬評,礼服,駕籠,乗物など武家社会に関するものを収録する.(全3冊)
武家の学問の殿堂であった湯島聖堂,鷹・鷹匠や東叡山寛永寺のことをはじめ,アメリカ使節の江戸城登城,桜田門外の変,生麦事件など幕末・維新の激動の時代を彩る数々の事件についての項目を収録.なお,「幕末の陸海軍」「社会魔」など『徳川制度』の補遺的な内容を収録する「補遺」を続刊の予定.(全3冊完結)
明治時代半ばの段階で,欧文史料を含め史料を博捜して書かれた鎖国の通史として注目される「鎖国始末」をはじめ,「柳沢吉保」など江戸幕府の政争に関する逸話,商人の成功譚「商人鑑」,下層社会の記録「社界魔」,幕末の陸海軍の実話や法令,町人の願書などを収録.『徳川制度』を補足する歴史実録集.詳細な索引を付す
■本文より)
牢破り
(伝馬町の牢屋に囚われていた重罪人礼三郎が脱獄を企てる.礼三郎は隣の名主に断りを入れた)「今夜はチト騒がしきことが出来るかも知れねえから,勘弁して貰いてえ」と細声に断りいえば,大牢の名主閻魔の与七〈強盗〉聞き付けて「承知した」と答えたり.問答了れば,夜はまた寂びて,当番の者も眠りを引く頃,礼三郎いかがして得たりけん,櫛を挽くに用うる細き鋸にて,ソクソクと挽き始め,そのほかの者ども交る交る挽きて,やがて内鞘松の六寸角二本を切り放ち,さて取り外さんとすれば,世は隈なく明けたり.舌打ち鳴らして,「今日の間にゃあ間に合わねえか」と囁きてそのままになし
 さて,礼三郎は無事脱獄に成功するのでしょうか? また,閻魔などといかめしい呼び名を得た与七の決断は?
 毎度の決め台詞で申し訳ありませんが,「続きは本書にてお確かめください」.

著者 加藤 貴 校注
通し番号 青496-1,青496-2,青496-3,青496-4
刊行日 2014/04/16,2015/02/17,2015/11/17,2017/03/16
ISBN 9784003349618,9784003349625,9784003349632,9784003349649
Cコード 0121
定価 本体1,500円+税,本体1,380円+税,本体1,440円+税,本体1,740円+税


篠田鉱造『増補 幕末百話』

この本の内容
明治も半ば,篠田鉱造(1871-1965)は幕末の古老の話の採集を思い立った.廃刀から丸腰,ちょんまげから散切,士族の商法,殿様の栄耀,お国入りの騒ぎ,辻斬りの有様,安政の大地震,道具の投売……幕末維新を目のあたりにした人々の話は,想像もつかない面白いことずくめだった.日本社会の激変期を語る貴重な証言集.(解説=尾崎秀樹)
 昭和三年は戊辰六十年にあたった.そのためか幕末維新に関する回顧談や史話,それに幕末維新を背景とした時代小説などがあいついで刊行された.……(中略)明治維新から六十年を経て,やっと事柄は歴史になろうとした.古老も世を去り,当時の壮者がようやく老齢にさしかかり,次の時代に語りのこしておく歴史の体験を多く蔵していた.同好史談会などが組織され,維新当時のことを語り合い,古老から談話を聞き,それを記録することも行われた.篠田鉱造もその一員だった.……(中略)
 『幕末百話』は特別に歴史を解明しようといった意図に基づいた企画ではなく,それこそおもしろそうな話が聞けそうだと思われる人を,東奔西走して訪ねまわって話を聞き出したものである.それが百話にまとまると,かえって多様性にとみ,社会各層の諸側面を語ることになり,おもしろみも加重される.……(後略)(尾崎秀樹 「解説」より)

通し番号 青469-1
刊行日 1996/04/16
ISBN 9784003346914
Cコード 0121


『戊辰物語』

この本の内容
明治維新の動乱を経験した故老の回顧談により,当時の庶民感情,時代の気分が縦横自在に語られた生きた維新の側面史.戊辰戦争から六十年目の昭和三年正月,『東京日日新聞』に連載された表題作に,「五十年前」「維新前後」を加えた本書は,敗者の側から見た維新の記録としても貴重なもの.図版を多数収録. (解説 佐藤忠男)
著者 東京日日新聞社会部 編
通し番号 青431-1
刊行日 1983/01/17
ISBN 9784003343111
Cコード 0121
定価 本体780円+税


『近世風俗志』

この本の内容
江戸時代の風俗についての考証的随筆.約700項目におよぶ事物の名前や事象を時勢・家宅・生業・雑業・貨幣・男服・女服・娼家・音曲・遊戯・食類等に分類し,多数の図を付して懇切丁寧に説明した一種の百科事典ともいうべき書.著者喜田川守貞が天保八(1837)年に筆を起こし,30年間かけて書きあげた近世風俗史の基本文献.(全5冊)
3都(江戸,京都,大坂)の風俗を比較しながら詳述した近世風俗史の基本文献.本巻には,武士,商人,職人の髪形のちがいなど髪のことを中心に入墨,櫛などにも言及した「男扮」をはじめ,「女扮」(島田髷,丸髷など髪形,櫛,簪,歯黒等),「男服」(袴,羽織,火事装束,浴衣等)を収録.(巻9~15).挿絵多数(全5冊)
近世の江戸,大坂,京都の三都を比較して論ずるだけでなく,古代以来の歴史的な推移にも及ぶ近世風俗史の基本文献.古代の衣服,十二単などからはじまる「女服」,猿楽,謡,勧進能などにも言及する「音曲」,その他「雑服」「織染」「妓扮」「娼家」など巻16~巻23を収める.図版多数.(全5冊)
「京坂にて風呂屋と云ひ,江戸にて銭湯あるひは湯屋と云ふ」と説きおこされ,薬湯・塩風呂・丹前風呂にも及ぶ沐浴の項をはじめ,正月行事を中心に花見・雛遊び・端午の節句・七夕などを語る年中行事,遊戯(竹馬・独楽・カルタ等),髪結床,笠,歌舞伎について述べた巻24から巻29までを収録.図版多数.(全5冊)
著者喜田川守貞(1810-?)が天保八(1837)年に筆を起し30年間かけて書き上げた近世風俗史の基本文献.本巻には食べ物,食器,傘,履物,駕籠,芝居,劇場のことなどを記した巻之三十から後集巻之五までを収録.巻末に,幕末期の物価高騰を論じた『固根辨』と詳細な全巻索引を付す.図版多数.(全5冊完結)

著者 喜田川 守貞 著 , 宇佐美 英機 校訂
通し番号 黄267-1,黄267-2,黄267-3,黄267-4,黄267-5
刊行日 1996/05/16,1997/09/16,1999/10/15,2001/10/16,2002/12/13
ISBN 9784003026717,9784003026724,9784003026731,9784003026748,9784003026755
Cコード 0195


『柳橋新誌』

この本の内容
幕末から開化期にかけての柳橋の風俗を描いた成島柳北(1837‐1884)の漢文随筆集.もと三篇からなる.初篇は深川にとってかわり盛んになった柳橋の花街風俗を活写.二篇は短篇小説ふうの挿話をつなぎ合せた構成で花街という視角から幕末維新期の激動を巧みにとらえた傑作.三篇は序のみ伝えられ本文は散佚した.

著者 成島 柳北 著 , 塩田 良平 校訂
通し番号 緑117-1
刊行日 1940/10/26
ISBN 9784003111710
Cコード 0195
定価 本体400円+税


『俳風柳多留』

この本の内容
川柳集.明和二(一七六五)年,『川柳評前句付万句合』の中から佳句約七百を選んで出版した初篇以来,二十四篇まで出版された.『初代川柳選句集』『誹風柳多留拾遺』とともに,旧文庫版に大幅な補訂を加えて刊行した『川柳集成』を文庫化.人情,風俗,人生や世相を鋭い機知と諷刺・諧謔をもってあらわした「近世庶民文学の華」.

著者 山澤 英雄 校訂
通し番号 黄271-1,黄271-2,黄271-3,黄271-4
刊行日 1995/07/17,1995/07/17,1995/07/17,1995/07/17
ISBN 9784003027110,9784003027127,9784003027134,9784003027141
Cコード 0192


篠田鉱造『明治百話』

この本の内容
世界史にも類のない一大変革期,明治.約半世紀に及ぶこの時代は,さまざまな逸話を生みながら変化し続けていった.実話主義を掲げる著者が,新旧の移り変りや衝突の最も激しかった明治初年の世相を聞き書きの中に再現する,百話シリーズの第2弾.(上)は最後の首斬役人・八世山田朝衛門の述懐から銭湯・床屋の昔話まで50話.(全2冊)
■内容紹介
 明治百話は幕末百話の姉妹篇で,古老旧知親懇者の実話を聴取した記録です.まず明治の気分を取り入れたものを僅か百話だけ纏めたに過ぎないものです.……明治の大事件大事実(たとえば鹿鳴館夜会,相馬騒動など)を取落していることは,必ず読者の不審を喚起するにちがいないと思われますが,実話はその人を得ないと実話になりません.実話を聴取しない以上,肝腎の実話として描き得ませんので,そうした破綻が,本篇に見出さるること察し,予めこうした申訳をして置きます.  明治百話は長短不揃いですが,幕末百話は,報知新聞紙上へ,百日間かいたもの,キチンと行数に限りがありましたが,明治百話は聴くがままに綴り,興味に惹かるるままかきつづけたからです.かつ編輯に,年代不順序に,読み耽るようにしたのは,兄弟もただな啻ならぬ武田鶯塘君の説に随い,長いもののあとに,短い軽い話をならべ,また長い話に移るといった注意を受け,その編輯までしてくれた厚意です. (「編著を終って」より)
一口に実話といっても,話し手の思い込みや記憶違いもあり,どれほどの事実が含まれているかの見極めや取捨選択が大事である.明治の東京に生い育ち路次の抜裏まで知りつくした著者ならではの,よりぬきの実話集.(下)も,明治の新商売・通人の道楽ぶり・烏森芸者のヨーロッパ興行談など,多彩な話題に明治の面影を盛る.(解説=森まゆみ)

通し番号 青469-2,青469-3
刊行日 1996/07/16,1996/08/20
ISBN 9784003346921, 9784003346938
Cコード 0121
定価 本体780円+税,本体840円+税


『古事記』

この本の内容
八世紀初めに成立した現存するわが国最古の歴史書・文学書.数多い口伝えを天武天皇が稗田阿礼に命じて覚えさせ,元明天皇が太安麻侶に書きとめさせたもの.天地開闢に始まり,伊邪那岐命・伊邪那美命の国生み神話,須佐之男命の大蛇退治等,神代より推古天皇に至る皇室の系図を中心に,わが国古代の神話・伝説・歌謡を広く収録.

著者 倉野 憲司 校注
通し番号 黄1-1
刊行日 1963/01/16
ISBN 9784003000113
Cコード 0195


『万葉集』

この本の内容
日本の詩歌の源,最古の歌集.奈良時代末に編まれて以降,読み継がれてきた二十巻四千五百余首には,宮廷歌人から無名の男女に至る人々の心が映される.本冊には巻一―巻四,雄略天皇・額田王・柿本人麻呂・大伴旅人らの雑歌・相聞・挽歌・譬喩歌を収録.新日本古典文学大系に基づき,86年ぶりに全面刷新した文庫版.(全五冊)
銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむに優(まさ)れる宝子(こ)にしかめやも──今なお愛される万葉集.親子の情,,恋の心,花鳥のあわれ,そして機知諧謔.本冊は,大宰府における大伴旅人,山上憶良らの唐(から)ごころあふれる歌文を収める巻五から,春夏秋冬の順に歌を配列する巻八までの約九百首を掲載.全歌に現代語訳・注釈を付ける.(全五冊)
ひさかたの天(あめ)の香具山(かぐやま)この夕(ゆふへ)霞(かすみ)たなびく春(はる)立(た)つらしも──雄大清新な叙景,流麗繊細な恋の心,遠き世の物語.万葉集の多彩な世界.本冊には旅の歌,浦島や入水した乙女たちの伝説の歌(巻九)から,四季に寄せた雑歌と相聞(巻十),古今の相聞歌(巻十一・十二)まで,千五百余首の歌を掲載.全歌,現代語訳・注釈付.(全五冊)
多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだかなしき──いつの世も変わらぬ人の心を伝える万葉の歌群.本冊には,東国の素朴な恋の歌,遣新羅使の旅の歌,引き離された男女の激情,昔の恋の物語と戯笑の歌,越中に赴任した大伴家持の歌など,巻十三─十七の多彩な約七四〇首を掲載.全歌,現代語訳・注釈付.(全五冊)
うらうらに照れる春日(はるひ)にひばり上がり心悲(がな)しもひとりし思へば――雄略天皇の素朴な求婚の歌に始まった万葉集は,大伴家持のこの春愁の歌に到達し,やがて家持の元日賀歌「新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事」で幕を閉じる.他に越中布施湖遊覧の歌,防人歌など,巻十八~二十の485首.全歌,訳・注付.[全5冊完結]

著者 佐竹 昭広 校注 , 山田 英雄 校注 , 工藤 力男 校注 , 大谷 雅夫 校注 , 山崎 福之 校注
通し番号 黄5-1,黄5-2,黄5-3,黄5-4,黄5-5
刊行日 2013/01/16,2013/07/17,2014/01/16,2014/08/19,2015/03/17
ISBN 9784003000519,9784003000557,9784003000564,9784003000571,9784003000588
Cコード 0192
定価 本体1,180円+税,本体1,160円+税,本体1,160円+税,本体1,160円+税,本体1,160円+税


『旧事諮問録』

この本の内容
明治二十年代半ばに,旧幕時代の制度の実情が忘れ去られるのを惜しんだ歴史学者達が旧幕勤仕の故老達を招いて行なった質疑の記録.江戸幕府の制度と諸役職の実情を語る文献としては一番有名で,利用価値の高い歴史史料である.将軍の日常生活から大奥・勘定所・評定所・目付・町奉行・外国奉行・代官・町与力等に関する証言を収録.

著者 旧事諮問会 編 , 進士 慶幹 校注
通し番号 青438-1,青438-2
刊行日 1986/01/16,1986/02/17
ISBN 9784003343814,9784003343821
Cコード 0121


『論語』

この本の内容
古代中国の大古典「四書」のひとつで,孔子とその弟子たちの言行を集録したもの.古い道徳主義のイメージをもつ人もあろうが,人間として守るべきまた行うべき,しごく当り前のことが簡潔な言葉で記されている.長年にわたって親しまれてきた岩波文庫版『論語』がさらに読みやすくなった改訂新版.

著者 金谷 治 訳注
通し番号 青202-1
刊行日 1999/11/16
ISBN 9784003320211
Cコード 0110


福沢諭吉『学問のすゝめ』

この本の内容
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」.著名なこの一文で始まる本書は,近代日本最大の啓蒙家である著者が,生来平等な人間に差異をもたらすのは学問の有無によると説く.彼のすすめる学問とは,西洋実学の批判的摂取である.明治の人心を啓発したその言は,一世紀を経た今日も清新である. (解説 小泉信三)

通し番号 青102-3
刊行日 1942/12/21
ISBN 9784003310236
Cコード 0137


鏑木清方『明治の東京』

この本の内容
代表作「築地明石町」などにみられるように,鏑木清方の画は,明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが,折々に書かれた彼のエッセイもまた,江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない.「白足袋」「草双紙」「兎と万年青」「銀座回想」「芝居昔ばなし」「明治の東京語」「甘いものの話」等40篇を精選.

著者 鏑木 清方 著 , 山田 肇 編
通し番号 緑116-2
刊行日 1989/04/17
ISBN 9784003111628
Cコード 0195
定価 本体600円+税


『古今和歌集』

この本の内容
紀貫之ら四人に勅撰和歌集作成の命が下ったのは延喜五(九○五)年のことであった.『万葉集』以後長いあいだ,公の席では漢詩文が隆盛を極めていただけに,選者たちの喜びは大きかったに違いない.約十年の歳月をかけ,古今の和歌を精選して成った.作風は万葉風にくらべ理知的・内省的で技巧に富み後世に絶大な影響を与えた.

著者 佐伯 梅友 校注
通し番号 黄12-1
刊行日 1981/01/16
ISBN 9784003001219
Cコード 0192
定価 本体900円+税


『伊勢物語』

この本の内容
在原業平とおぼしき貴公子を主人公とするこの物語は,彼の元服から終焉までの一代記風の構成をとる.権力とは別次元の価値体系に生きる男,后・斎宮から田舎女・召使との恋愛,報われることを期待しない女の愛,うるわしい友情,主従の厚い情義など,ここにはそれまでの王朝文学の思いも及ばなかった愛情の諸相が生き生きと描かれる.

著者 大津 有一 校注
通し番号 黄8-1
刊行日 1964/12/16
ISBN 9784003000816
Cコード 0193
定価 本体520円+税


『新古今和歌集』

この本の内容
全二十巻.万葉調・古今調と並んで,三歌風の一典型を作った勅撰和歌集.俊成は余韻・余情の世界を統合して幽玄の世界をうちたて,定家は幽玄の世界を分析して有心を設定した.現実の暗さから逃れるために自然観照へと集中しその技巧は極限にまで達した.連歌や,芭蕉に多くの影響を与え,芭蕉の「わび」もこれを起点としている.

著者 佐佐木 信綱 校訂
通し番号 黄101-1
刊行日 1929/07/05
ISBN 9784003010112
Cコード 0192
定価 本体950円+税


『江戸東京実見画録』

この本の内容
明治天皇の江戸城入城から民衆による打ちこわしまで,急速に移り変わる幕末維新の江戸の様子を描きだす風俗誌.作者・長谷川渓石(一八四二~一九一八)は,作家・長谷川時雨の父親で,国芳の住居を描いたものなど貴重な画を含む52図を収録.(解説=中野三敏)
作者の長谷川渓石(本名,深造1842-1918)は,今ではほとんど知る人もなく,忘れ去られた人物でしょう.  渓石は,天保13年,江戸の中心地である日本橋に生まれ,若いころ,浮世絵師・歌川国芳に絵の手ほどきを受けています(本書の第39図「浮世絵師国芳の住居」は,その様子を描いた貴重な図です).維新後,新政府の刑部省に入り,その後,代言人(今の言葉でいえば弁護士),市会議員などを歴任した人です.
 そして,渓石が,晩年,幕末維新の往時を回想して,描きためていたものを,没後一周忌の大正8年に,娘で作家であった長谷川時雨(明治~昭和にかけて活躍し,名著『旧聞日本橋』 『新編 近代美人伝(全二冊)』などを遺しています)が,亡父の供養として配布したものが本書のもとになっています.
 本書には,明治元(1868)年10月13日,明治天皇が江戸城に入る「至尊の御入城」(第1図)から始まり,全部で52図が収められていますが,幕末維新の江戸の市井をさまざまに描いた風俗誌として興味ぶかい一冊です.すでに岩波文庫に収められている『ワーグマン日本素描集』 『ビゴー日本素描集』 『河鍋暁斎戯画集』などとならぶ貴重な絵画資料であると言えましょう.
 上記のような渓石の経歴からでしょうか,政治や刑罰をテーマとする画が多いのが特徴です.「西丸大手前(の供待ち)」(第5図),「諸大名の老中廻り」(第8図)など貴重な画も多いのですが,その一方で,市井の風俗を描いたものも,興味ぶかい画ばかりです.
 寺子屋の様子を描いた「雷師匠」(第38図),当時の大店の様子が分かる「大丸呉服店の一部」(第51図)などは,その代表的なものでしょう.特に,第40図の「貧民の乱入」は,教科書の幕末の打ちこわしの説明の箇所に掲載されることがあるので,本書の中では一番よく知られているものではないでしょうか.
 底本には,渓石の画中の文字の部分を翻刻し,詳細な注解(進士慶幹・花咲一男)を付した有光書房版(1968年刊)を用いました.進士・花咲両先生による注解は,渓石の画の面白さを存分に伝えてくれるものになっています.
著者 長谷川 渓石 画 , 進士 慶幹 注解 , 花咲 一男 注解
通し番号 青577-1
刊行日 2014/07/16
ISBN 9784003357712
Cコード 0171
定価 本体840円+税


高村光雲『幕末維新懐古談』

この本の内容
明治大正期を代表する木彫家で,西郷隆盛銅像の製作者として知られる高村光雲(一八五二―一九三四)の自伝的回想録.「お話し自身すでに立派な芸術」といわれるほど座談の名手であった光雲が,息子の高村光太郎,田村松魚を相手に,生い立ちから彫刻家として名をなすまでを幕末維新の世相風俗を交えながら生きいきと語る. (解説 酒井忠康)

通し番号 青467-1
刊行日 1995/01/17
ISBN 9784003346716
Cコード 0195


内田魯庵『思い出す人々』

この本の内容
内田魯庵(一八六八―一九二九)は,幕府御家人を父,吉原の芸妓を母として維新前夜の江戸に生まれた.文芸評論家,社会小説『くれの廿八日』の作家,『罪と罰』などロシア文学の翻訳家と,その仕事は多岐にわたっているが,紅葉,緑雨,二葉亭ら同時代の文人を回想した本書は,非常に面白い読み物であるとともに明治文学の一級資料である.
 「思ひ出す人々』の水源にあたる本が『きのうけふ』である.『思ひ出す人々』は1925年(大正14)6月,春秋社より刊行,『きのうけふ』は1916年(大正5)3月,博文館より刊行されている.内田魯庵自身は昭和に入った直後の1929年(昭和4)6月29日に死去した故,『きのうけふ』を改題し,再編集しなおして世に押し出したことは,魯庵の最後の大仕事と私は見る.……(中略)  本書は春秋社版『思ひ出す人々』の編成を尊重しつつも,その水源に位置する『きのうけふ』,魯庵の没後,飯田泉らによって編まれた『明治の作家』などを参照し,二葉亭四迷を中軸とし,坪内逍遙以下忘れ難い重要な人物スケッチを選び,末尾に「八犬伝談余」をつけ加えた.……(紅野敏郎「解説」より)

著者 内田 魯庵 著 , 紅野 敏郎 編
通し番号 緑86-4
刊行日 1994/02/16
ISBN 9784003108642
Cコード 0195


岡本綺堂『ランプの下にて』

この本の内容
戯曲「修禅寺物語」や「半七捕物帳」で知られる作家岡本綺堂(一八七二―一九三九)は,父に連れられて初めて団十郎・菊五郎・左団次の新富座興行を見た.以来,少年綺堂,長じて『東京日日新聞』劇評記者綺堂が見た数々の舞台と名優たちの思い出を綴り,時代の息吹を生き生きと伝える.当時の芝居は実に面白かったらしい. (解説 岡本経一)

通し番号 緑26-2
刊行日 1993/09/16
ISBN 9784003102626
Cコード 0195




2018年8月17日公開

et8jj5@bma.biglobe.ne.jp
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