『俳句という無限空間』

 大輪靖宏著『俳句という無限空間』

 大輪靖宏著

 令和元年12月3日、文學の森 発行

 B6判、260頁、定価 2500円+税


 目  次

   Ⅰ

 短歌の表現技術から見た俳句の特性  9

 江戸時代の文芸の新しさ―― その一  29

 江戸時代の文芸の新しさ―― その二  55

   Ⅱ

 歳時記への従属を排す  73

 下手は仕損じをすることが出来ない  81

 虚に遊ぶことの大切さ  88

 俳句と狂句  92

 心の味わいを言いとる  98

 芭蕉の「さび・細み・しほり・軽み」  103

 不易流行と今後の課題  111

 俳句における抽象性  117

 挨拶性というもの  121

 句の解釈の広がり  126

 芭蕉はなぜ句が少ないか  130

 芭蕉の創作姿勢  135

   Ⅲ

 文芸独自の価値  151

 詞書について  155

 俳句の善し悪しは説明できるか  160

 句境を広げる工夫  165

 写実というもの  170

 文語と口語  174

 HAIKUの可能性  179

 夏はいつからいつまでか  184

 言葉をずらして使う効果  188

 語の意味と句の意味の変化  193

 振る、振れぬけそれほど厳密か  201

 説明は避けリズムは崩さない  206

 遅く始めることへの期待  210

 俳諧は卑しいもの――上田秋成の場合  216

 俳句における恋  220

 ふるさとという語に龍もる思い  224

   Ⅳ

 講演:芭蕉の求めたもの  233

 講演:俳句上達への模索  241

 あとがき  258

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 あとがき

 これまでに書いたり話したりしたことが、或程度溜まったので、一冊の本にしてみた。

  芭蕉に触れている部分が多いのだが、自分としては芭蕉論ではなく、俳句とは何かという課題を常に根底において考えを進めてきたつもりである。

  ただ、俳句というものをどのように考えていっても、必ずそれについて芭蕉が何らかの答を出していることに気付いて、改めて芭蕉という俳人の凄さを感じた。

 私は今までにいかなる結社にも所属したことがなく、周囲の人たちと楽しみながら句会を行なってきたにすぎないので、師の言というものを持っていない。ただ、教師生活の中で芭蕉を論ずることが多かったので、芭蕉の言説にはかなり親しんだ。それ故、考えを推し進めていくと必ず芭蕉の言説に突き当るのである。

  何回路地を曲がっても、どんな袋小路に入っても、必ず芭蕉の後ろ姿があるというのが、最近の実感である。結局のところ、俳句を論じるのも、芭蕉を論じるのも同じであるということになってしまう。この書はこういうことを再確認する作業でもあった。

  この書に収めたのはその時その時に書いたものであるから、重複も生じている。なるべくそういうものは削除したり、直したりしたのだが、それでもその場の論に必要なものは残ってしまっている。いささかみっともないのだが、やむを得ない。

  この本が出来るにあたっては、全体に目を通して意見を述べてくれた「俳句界」編集長の河内静魚さんと、細かな点まで点検して私の気付かなかった誤りを訂正してくれた「文學の森」出版部の齋藤春美さんとにたいへんお世話になった。深く感謝申し上げる。

  この書が、俳句というものに取り組んでおられる方々に少しでも役立ってくれればたいへん嬉しいことだと思う。

              令和元年八月五日     大輪靖宏

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 著者略歴

 大輪靖宏(おおわ・やすひろ)

 1936年東京生まれ

 慶應義塾大学文学部卒業・同大学院修了

 上智大学名誉教授・文学博士

 日本伝統俳句協会副会長

 国際俳句交流協会副会長

 「輪」主宰

 上智句会代表

 著 書 『上田秋成文学の研究』(笠間書院)

     『上田秋成 その生き方と文学』(春秋社)

     『芭蕉俳句の試み』(南窓社)

     『花鳥諷詠の論』(南窓社)

     『俳句に生かす至言』(富士見書房)

     『俳句の基本とその応用』(角川学芸出版)

     『なぜ芭蕉は至高の俳人なのか』(祥伝社)

     『芭蕉の創作法と「おくのほそ道」』(本阿弥書店) ほか

 句 集 『書斎の四次元ポケット』(ふらんす堂)

     『夏の楽しみ』(角川書店)

     『大輪靖宏句集』(日本伝統俳句協会)

             *横浜俳話会大賞・平成28年度横浜文学賞

     『海に立つ虹』(文學の森)*輿謝蕪村賞・文學の森賞準大賞

     『月の道』(本阿弥書店)

 現住所 248-0012 神奈川県鎌倉市御成町9-21-302

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