今昔くらべ

                        

菊池眞一


明治27年の『文芸共進会』に、「今昔くらべ」という記事がある。
江戸時代と明治中期の名称の違いがわかる。
以下、引用。


  ◎今昔くらべ     年寄の翁投

(昔)   (今)
○江戸   東京
○有馬家の火見櫓   浅草の凌雲閣
○深川の羽織   柳橋の芸妓
○三芝居   歌舞伎座と明治座
○髪結床   斬髪舗
○八州廻り   巡査
○新吾左   壮士
○大名   勅任官
○旗本   奏任官
○役人株の売買   議員の選挙
○一人相撲   自転車
○熨斗目麻上下   シルクハツト燕尾服
○籃與   人力車
○夜鷹蕎麦   鍋焼饂飩
○聖堂   帝国大学
○手習師匠   私立小学校
○各藩学問所   公立小学校
※『文芸共進会』第五巻第三号(明治二十七年三月五日発兌)


  ◎今昔くらべ(其二)     年寄の翁投

(昔)   (今)
○読売   新聞
○見越しの松   陶器の門札
○勤番者   書生
〇比丘尼   娘義太夫
○切腹   モルヒネ往生
○五節句   三大節
○舟宿   待合茶屋
○講武所   練兵場
〇大調練   観兵式
○時の太鼓   号砲
○金座   造幣局
○宿次通し籃與   汽車旅行
○火附盗賦改加役   刑事探偵
○追放   退去命令
○引札   広告
○蚊帳と線香   避雷針
○鷹野   鴨池
○早打   電信
○町飛脚   郵便
○閏月   二月二十九日
※『文芸共進会』第五巻第四号(明治二十七年四月五日)






2017年1月26日公開

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